〜始まり〜

本作品は、当時高校生であった伊藤峻太監督率いる映画製作チーム
「芸術家族ラチメリア・カルムナエ」によって 監督・撮影・編集は勿論、作詞作曲・歌まで全て制作されています。

きっかけは、高校2年生の時に製作したある映画でした。
製作メンバーの母校では毎年、全校生徒に生徒指導の一環として 「交通安全」「薬物使用」等の道徳ビデオを流していました。

しかし、面白くなく居眠りをしたり雑談する生徒たち…。

そこで、以前から自主制作映画を作っていた下條 岳に誘われ、 伊藤峻太が脚本を書き「自転車置き場の使い方」をテーマとした 短編映画「サドルにまたがる者達へ」を製作。 これが生徒、教諭陣から大好評を受けました。
そして今年は「命」をテーマにと教諭陣から依頼されたのです。


〜試行錯誤・そして完成〜

脚本を担当した伊藤峻太と平山みなみは一夏をかけ一つの脚本を書き上げました。
しかし、その脚本は「非現実的すぎる」と却下されてしまいます。
却下になった脚本は舞台が近未来、戦争に行く若者たちの命を描いたものでしたが、 学校が求めていたのは「麻薬や自殺で命を粗末にしてはいけない」という 道徳的な内容でした。

一気に落胆してしまい、もう撮るのをやめようかと、チームは悩みました。

しかし、2000人の生徒に自分たちの想いを伝えるチャンスを逃したくないと スタッフで話し合い、脚本の作り直しに入ります。

そして悩み悩んで練りあげた脚本が十月末についに完成、そのまま撮影へ。
短い昼休みや放課後を利用して撮影するのはもちろん、 休日に学校に集まっての撮影、はたまた寒さに堪えての泊まり込みでの撮影。 受験勉強と並走しての制作はメンバーだけでなく、周囲もハラハラするような、 ある意味とても緊張感のある現場でした。
撮影前にも撮影中にも、天候に、ハプニングに襲われたりもしました。
が、12月中旬の上映前日、ついにそれらを乗り越えて一つの作品ができた時の 達成感は並々ならぬものでした。

上映後、各クラスから集まった感想文で生徒達がそれぞれ真剣に見てくれたのが 伝わってきました。

〜新たな発射へ〜

2006年、高校生対象の「映画甲子園」に出品。六十分の規定を超える七十四分の長さ で選外となりましたが、その後トリウッドに上映を申し込み、審査段階で大絶賛して いた同代表大槻貴宏(39)が配給も含めた上映を決定し、今上映に至りました。

「命」という巨大で漠然としたテーマ。
物語にするのは容易なことではありません。
簡単に「命は大切!」そんな内容にしてしまえば簡単です。
しかし、どこか反抗的な野望があって、絶対ぬるい作品にはしたくはありませんでした。 そんなことはみんなもう嫌と言うほど聞かされてきて、誰もがわかってること。
どうしたら伝わるか、どう伝えるか、悩みに悩んで、 その時に出せた自分たちの"答え"がこの作品です。


物語の中で生きる人物たちの、不器用でまっすぐな心 ーー

人間を、救いも滅ぼしもしない気まぐれな神 ーー

主人公ユカの強力な "生きる覚悟" ーー

何のために生きてるんだろうとか、
そんな答えの出ない途方のない悩みを
吹き飛ばしてしまうくらいのパワーが、
何より強い " 想い " が、

この作品には込められています。


♪予備の燃料なんか積んでない
   残された量で ありったけ進め


ぜひ、劇場に足を運んで、このロケットに乗り込んでください!
スタッフ一同自信を持って、みなさんのご搭乗を心待ちにしています。

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