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 O-MO-I





それは、まるで隠すかのように引き出しの奥底にしまい込んだ気持ち。何年か前に封印のつもりで突っ込んだままにしていた。アピールなんて出来なくて、行動にも顔にも出せなくて。誰にも言えずにいる、この気持ち。もちろん本人なんかに言えるはずない。毎日飽きずに笑顔が見たい、忘れられないくらい声を聞いて俺の耳に残したい。頭の中はだけで、それだけでもう腹いっぱいになってしまって、いつも洋がびっくりするくらいの食欲なんて出ないんだ。










「あれ、涼?」
「…んあ?」
「ちょっと…、今の怖いよ」
「あ、ごめん。」
「なに、まだ残ってたの?部活もう終わり?」










だんだんと落ちる太陽に照らされて、夕日に染まっていく放課後の教室。










「…ん、終わり」
「お疲れー」
は?」
「あたしは委員会と、文化祭実行委員会」










かばんに教科書を詰めながら器用に俺の質問に答える。なんだか恥ずかしくなって、真っ直ぐのことを見れなかった。横目で見るの映像だけで緊張する。胸がギュッと締め付けられて、痛みにも良く似た、この気持ち。もう重症だ。…帰ろう。せっかくのとふたりっきりのチャンスを、恥ずかしいというだけの理由で手放すなんてバカだよな、俺も。でも痛いのはもう嫌なんだ。考えるだけでも、顔を思い浮かべるだけでも、ダメなのに。










「お疲れ…、じゃな」
「あ、うん。ばいばい」










ほら、こんなにあっけない。





家に帰るとベッドにダイブした。なんだか切なくて。気付くと窓の外は真っ暗で、時計の針は22時をさしていた。明日は朝練、早く寝なきゃ…。そんな焦りとは裏腹に、俺の思考はどんどん眠りモードから離れていく。に恋した瞬間を思い出したりなんかして。あれは3ヶ月前、体育祭のあとのの涙が原因だった。初めて見たその涙は見たこともないくらい綺麗で、目が離せなくなったのを覚えている。ただ友達だった。普通にクラスメイトで、普通に仲良くて冗談とかも言える仲で。が好きだと気付いたらもう止まれなかった。当時付き合っていた彼女と別れたり、無意味に部活を頑張ってにいいように見られたかったり。そもそもが俺のものになってくれる保証なんてどこにもないのに。まるで俺じゃない、なにかに乗っ取られてしまったような。むしろ病気?恋の病?そんな寒いことまで考えたりして。への想いとともに、眠れない夜は更けていった。








































「…うっす」
「宮森ー、お前遅刻だぞー」
「朝練でーす」
「…その言い訳何回してると思ってる!アホ!」










担任の声が妙に頭に響く。眠気と朝練の疲れで俺の耳にはなにも届かない。










「お疲れー」










ただひとつ、の声だけは聞こえる。…不思議だ。なんとなく耳に入ってくるクラスメイトの笑い声の中から、の声だけをピックアップすることができる。そろそろやばいな。そう思った俺の髪を、窓から入る風が揺らした。










「はい、これ」
「…なんね?これ、」
「ん?プリント」
「いや、それは分かってるけど…」










HRが終わると、が俺の元にやってきた。一枚のプリントを渡して去っていく。の分からない答えにもっと深く追求したいことがある俺は、の後姿を目で追う。俺から離れていったは、違う男のところへ行ってしまったようだ。…なんかもう、それすら嫌だ。付き合ってるわけでもないのに。俺に渡したものと同じプリントをその男に渡すを見てると、また苦しくなった。










「…っ!!」










気付いたら、呼んでいた。










「え?なに、」
「…あ、」
「ん?」










無意識のうちに自分の口から出たの名前。もちろん呼んだのは俺であって、がやってくるのも承知の上。でも頭がついていかない。










「プリント…、」
「ああ、ごめんね!これ文化祭のアンケートだから、ちゃんと出して」
「…放課後、詳しく教えて」
「…え?もう教えたじゃな…」





「放課後、」










もう限界だし、が好きすぎて、さ。




















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リク第五弾!


・紫乃さん
・O-MO-I//琉球蜜柑




リクありがとうございました!





2006.9.19.TUE