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                 アンケートご協力ありがとうございました。 2008/12/5 (fri) 14:09:19 (made in Octbor) たしかな冬の匂いは、もう漂い始めている。吸い込めば、喉の奥に凍みるような、そのツンとした感覚は、涙が出る瞬間にも似ている。 だから冬は寂しいのか。だから冬は、いとしいのか。 毎年、日に日に寒くなってゆくこんな時期には、夏を忘れたくなくなる。あの、夏 特有の暑いという感覚は、秋の深まりとともに消えていく。瞼の裏、遠く消えてゆくような、寂しそうな夏の背中が見えるようで。  すべてすべて、去るときはどうしてあんなにも寂しい。すべてすべて、去るときはどうして、一番にいとしい。 だけど、すべては互 いを引き込み合い、宇宙を巻き込んんだまま巡っていくから。私もまた、微かで力強い秒針の音に、歩幅を合わせていくんだ。無理矢理 巡らそうとしなくったって、季節はちゃんと、時を刻んでいる。だからまた冬を忘れていく体にもきっと、夏の感覚をしばらくうしなうのと 同じようなもどかしさが、駆け抜けていくんだろう。そして何度でも繰り返す。すき、さみしい、すき。 十二月。冷えた空気が、マフラーの隙 間から首に触れる。"街自身"までもが浮き足立つようのが見えるような、不思議な期間。この特別な期間自体が、遠い宇宙の端から降って きたプレゼントのように。 透明な冬の夜空に、吐く息は白い。喉の奥がツンとするのは、冬のせいだけじゃ、きっとない。 寂しさとい としさは背中合わせだ。冷えてかじかんだ手だから、繋いだ手がとてつもなく暖かいんだ。じんじんと痛いほど、暖かいんだ。 冬がくる。 同じ匂いを連れてくる。寒い夜の帰り道、マフラーを巻いて帰っていく後ろ姿が、今も瞼に、焼き付いている。 2008/5/7 (tue) 16:32:07 やわらかな金色の光が、足下の土に反射して、無数に広がる黄色の花は、優しい熱を体いっぱいに受けて揺れる。すべての生命が歌う。 春、春、春、春、ゆっくりと終わっていく。水彩の青に舞う桜。ふわり空へ駆けあがり、そのまま青に吸い込まれそうだ。見渡す限り歌が ある。幾多のコントラスト。生命がこんな風に、色鮮やかになればなるほど、"いつか総てに訪れる終わり"も、同時に色濃く色濃く見え てくる。あの花びらも、空へ吸い込まれていくように見えて、実際は地面へ落ちていく。土の上にさえ帰れず、車に踏まれアスファルト の上、ちぎれていく、消えていく。 仰ぐ水彩の青、どこまでも広く。春空、そこから見れば見つけられるのかな。どこかで笑ってるあ の人。今でも不意に蘇るときは、上手く息ができない。春空、見守ってて、その淡い青の下、寂しがりを胸に秘めたままだろうあの人のこ と。 風に吹かれる緑。ゆるやかに息をするように、枝を上下に揺らす。葉のひとつひとつがする光りの乱反射。まぶしくて目を閉じる。 思い出す輪郭は、また少し、ぼやけて。こうして少しずつ、きっと、こぼしていく。今また、終わりに近付いていく。 青、全ての後悔な ら吸い込んで。桜、もっと高く舞い上がれ。春空、あの人にも降らせて。 2008/1/15 (tue) 18:41:00 会いたい会いたい会いたい。ふとした瞬間、思いもしないほどの気持ちが胸を突く。こんなに人がいるんだ、どこかにいてもおかしくな いのに なんで 君だけはいないの。 人込みの駅の階段。黒のぺたんこブーツで、音をたてて忙しく降りる。すれ違うたくさんのたくさん の人。皆わたしと同じように、自分のなか深いところ、複雑と単純を併せ持っているんだろうか。こころにはいつも、温かくなったり冷た くなったりする透明な何かを、リズムを刻みながら飼っているんだろうか。きっと、わたしの背中にあるそれと同じように、皆それぞれの 人生がその背にあるんだろう。あの人たちも、崩れそうな心を組みなおしたことがある?誰かを心底好きになって、甘いくるしみに溺れた 夜がある?無償の愛に抱きしめられたとき、セカイの愛すべてが今ここにあるんじゃないかと錯覚しそうになる?言葉にならない寂しさの 感覚も知っている?その背中に、どんな道程があったの。笑える?泣ける?まあそれでも今君は、わたしは、ここにいるね。結局これが今 この瞬間最後の事実。 こころは宇宙みたいに広い。誰かへの優しさに溢れたなら、それに限りはない。この場所はそんな宇宙を一体何億個 抱えてるかな。そしてまたさらにこの星はひとつの宇宙に包まれているのか。 ああやっぱりわたしは、奇跡に囲まれている。もっとたく さんの優しさ愛しさを知りたい。 改札をくぐって、冬の風を受けて歩きだす。だけど、だけど、今この瞬間わたしが欲しいのはただひとつ。 わたしの宇宙はただひとつのちいさな、おおきなものを欲しがってる。冷えた風が吹きぬける。欲しいのは、ただ君の"好き"。 2007/8/15 (wed) 17:42:25 懐かしい夜の道を帰る。ぼやける蛍光灯の光、いくつも集まって優しい。その淡い光が照らす先に、ちいさくちいさく浮かんでくる緑。昼間じり じりと太陽に照りつけられて、きらきら反射していた、葉のひとつひとつが、その受けた熱を、今ゆるく月の下に漂わせて。ああ 風が温かい。 そうだあの頃は、桃色のお湯に浸かったように熱くなった頬を、冬の夜風で冷やすみたいに、ゆっくりゆっくり帰ったっけなあ。今は反対に、生暖 かい空気が、クーラーで冷えた頬をゆるく撫でて、たまに吹く強い風が、ドライヤーみたいに髪をすり抜けて、時の流れをぼんやり教えてくれ る。少し空気の抜けたタイヤが感じるでこぼこのアスファルト。ペダルをこぐ力。覚えてる。だけどこんなにもはっきりと、時は流れている。 あたたかくてかなしい。過去はいつも尊い。会いたいなあ。風が昔よりも大きく髪を揺らす。この長さをいま君は知らない。いま会ったら一 番になんて言う? 過去はいつもいとしい。 2007/3/17 (Sat) 19:47:10 いまできた傷がほんとうに痛いとき笑う癖があるね。これはあたしのことでもある。自分でもよくわかっていないんだけど、痛すぎて笑って しまう。ひねくれてるかな。きっと泣くことと笑うことは正反対じゃない。“優しい涙が流せます”と書かれた本を読んだけど、最後まで 完璧には癒えない、複雑すぎる悲しみに納得いかなくて、さみしい気持ちになった。ハッピーエンドばかりを期待するのは昔からの癖。 うしなうのこわいんだ。もしも恐ろしい悲しみがあっても必ず後で幸せがくるって、何度でも言ってほしい。だけど知ってる。 こんなちいさなからだじゃ到底かかえこめない、本当に無理すぎて、笑ってしまうくらい悲しい出来事が起こるときだって、生きていれば あるんだね。それでも“生きなければならない”。誰に言われるわけでもなく、生まれた以上天命を全うしなきゃいけない。生まれてきた、 命を受け継いだってことは“奇跡だから”って大人がよく言ってた。卑屈になってるときはそれさえ鬱陶しく感じるね。あたしはあたし なりにこう思う。まっくら、吐きそうなくらいまっくら、そんな暗闇のなかにいるときは、ヒカリとか、きらきら輝くものなんてもう、何一つ 見つけられないって思うけど、それはきっと“生きている”ということ、そのものの価値が、高すぎるから。じぶんのヒカリが眩し過ぎて、 それより輝くものなんてなかなか見つけられない。きっとそうだ。だからあたしはいまちゃんと生きてられる。だけど、もしもその、“到底 かかえきれない悲しい出来事”が起こってしまったとき、そのことを少し考えるだけで既に、ヒカリを見失いそうな自分がいる。苦しくなって 涙でそうになる。きっと、絶対に、ひとりでは乗り越えられない。誰か、誰かがいなきゃ。あたしと、あたしがかかえこめない悲しい出来事を、 両方とも包んでくれる、おっきなおっきな、おっきな誰か。 2006/11/11 (Sat) 19:36:49 「ここ」ではない世界をこの目に取り入れるたびに思う。「ここ」は、確かにとても平穏だけど,果てしなく平凡なのだと。ひどくくだら なくてつまらなくて、どうでもよく思えてしまう。きらきらしたむこう岸を目の当たりにするたびにね。「世界がもし100人の村だったら」 なんて本を読んだときは、「ここ」はとても幸せな場所なんだと心から思い知った。この朝がくる幸せの重さだってちゃんと測れた。な のに、どうしてそんな日々に満足できない時がある?この日々が退屈で耐えられないと感じる瞬間がある?私の周りで息をするほとんどの 人が、私とほぼ同じ場所にいる。同じ学校に通って同じ服を着て、一日の過ごしかただってそう変わらない。個性をさけぶけど,多分 セカイはもっともっともっと広い。平穏なこの場所で,ぬくぬくと息をしているはずなのに,日々のすり傷にイライラして耐えられなくな る日がある。「ここ」でさえ溺れていたら,いつかセカイに漕ぎ出た時私はどうなるかな。「ここ」から「むこう」へ、もし飛びこむと したら、「ここ」で手に入れた優しいお湯のような、ひとつのサイクルを私は失うだろう。ひとつの賭けになる。どこまで,自由と理想を 追って良いのかわからないよ。 2006/9/28 (Thu) 21:36:26 魔法は使えない。見上げた空は暗い灰色で、信号機の色が変わったから歩き出した。前を歩く女の人の履く黒のホットパンツが、あの 時買わなかったものに似ていて、可愛く見えたから少し後悔した。何かを後悔しない日なんてないな、最近。自転車の鍵を探そうと、 肩からかけた茶色のかばんをさぐっていたら、入れっぱなしにしていたピアスの針が指先に刺さった。 やっぱり、空は飛んでみたい けど。宇宙にも結構行きたいし、憧れの人にこっそり会いにも行きたい、時間も好きに止めてみたいけど。だけどそれでも。それより も欲しいものが、もうずっと ある。 いとしくて大事で、私から切り離しようの無いあのひとたち。喧嘩して傷つけて大嫌いになっ て、だけど絶対に切らない。ぼろぼろになる前にその手をつないで、たまに抱きしめてもらって、そしたらそこがその場所が、私のし あわせ「そのもの」になる。あたたかくてかなしくて押し潰されそうになる。あたたかさの中でやっと気付く、いつか必ず来る恐るべ き冷たさ。 この大切なひとたちと永遠に一緒にいさせてください。非凡な刺激なんていらないから。日常のなか、皆元気で適当に 笑うの。それだけがいつも一番にほしい。魔法が使えたら。ひとつだけ、おおきなおおきなこの願いを。 2006/8/28 (Mon) 22:16:23 猛スピードで過去になった。太陽から降り注ぐ、あのジリジリとした黄金の光。その光のラインが肌を焦がしたあの日。日常に全く 関係の及ばない場所ではこんなにも、呼吸がさらさらと出来る。別に、特別しんどいわけではないし、毎日笑うし、最近は泣いても いない。だけど自分の「現実のど真ん中」で生きていると、やっぱり少しずつ、なにかが溜まるんだ。日常から完璧に切り取られ たセカイに立って、初めて見る優しい緑やまぶしい光の中で、なんとなく背中を振り返ると、背負ってきたそれなりの重さの荷物がつ けた、案外痛々しい傷痕を何本か見付けたりするよ。自分でも気付かない間に出来る傷は結構厄介かもしれない。毎日本当は、かす り傷を受けながら生きているんだよ。溜まるところまで溜まってしまうと、とんでもないことになるかな。だからたまに、自分のこ とをゆっくり適当に、見つめなおしたいと思うんだ。当たり前になるほど大切なひとたちと、現実の端っこで一緒に。(また夏がき たらきっと) 2006/6/29 (Thu) 23:24:08 群れる習性なんてしんだらいいのに、こんなの現実じゃないわとうたうことは現実逃避って呼ばれるのかな。だってあたし もっとしってる。たのしいことしあわせなこと、あいされてるって、こと。今日もきれいな輪をつくって取り繕う。みえな いみえない。なんにもみえないんですけど。一番悪いのはだれだ。見せかけを易々と信じ込んではイメージを造りきって しまう傍観者?誰だって結局は自分中心にセカイを廻して鳴いてうたうんだ。今日をうそで塗り固めたって明日を上手に生きる 人は生きる。実際いるんだから、神様もルールも本当は通用しないんだ。「うそ」ではないもの全部が「しんじつ」だなん て限らない、限らないよ。うみおとされた言葉の重たさに気付く瞬間、重いハンマーで殴られるんだ。「大丈夫だよ」って言っ て本当は足がふらついてる。部屋のドアを閉めたら、ひとりになったら?できた青白い打ち身はなかなか消えないんだ。 確信犯は笑い続ける。笑えないあの子を視界にいれながら。つられて笑う。そんな連鎖。鎖を切ったら、失うものもあるから。 あたしひとりじゃ、切れないなあ。 2006/5/30 (Tue) 22:19:54 何気ない日常のなかで少しだけぐらぐら揺れている。このイライラには具体像が無くて、だから泣けなくて。優しさが一瞬 吹いた気がして、まぶたの上に涙が乗っかって。だけど流れない。なにがとめるんだろう。まだなにをこらえてるんだろう。 最悪な状況にはなぜかいつも、乾いた笑いがこみあげるようにね、ああなんか苦しい、苦しい苦しい、そう思ったって、泣 けないんだ。なんで?疑問符が浮かぶたび、イライラがまたひとつ。泣きたい意志はこの体に働かない。一体自分以外の何に 支配されているんだろう。溜まってきた感情が、名前のないこの意味不明な感情が、いつか何かの拍子に全部破裂して、そ のまま一気に沈みきったりして。そうしたら向かう場所は真っ暗?案外何も無くてきれいだったりしてね。ぐらぐら揺れる。 平均台の上、上手くバランスのとりきれない日常。原因も特定できない、はっきりした怖さなんてない。感情の端っこはど こだろう。(こっちをみてなまえをえらんで、きみのなかにあたしをそんざいさせてください。) 2006/4/21 (Fri) 22:36:20 今日なにかから受けた「なにか」を、「痛み」として形成するのはいつも、「痛いこと辛いこと苦しいことそのたぐいか らは全て逃げます」って主張を、大声張り上げて繰り返してきた他でもない自分自身だった。じぶんでつくった「痛み」 が「ひどく痛むんです」なんて、ね。繰り返しては忘れて、可哀想な被害者をまとう。ひとはきっと賢くて、その矛盾に 気付いてしまうんだろう。呼吸を繰り返すけど、何度やり直しても透きとおらない。どこかになにかがひっかかる。つ くった「痛み」の攻撃に折れそうになる。その矛盾に挟まれていたたまれなくなる。それは熱いものを触ったら熱いって おもう、あの感覚を同じだ。感覚や感情を持って、傷を傷だと捉える。それはひととしての機能なんだ。だとしたら、こ の傷のやりきれない痛みも、ひととして必然的に受けるべきものなのかなあ。 だとしたら本当に皆、同じような痛みを 抱えていると言えてしまうのかな。 2006/3/18 (Sat) 21:44:57 からっぽの頭に足に腕にこころ。はじめは真っ白なのに、つぎつぎと色が投げ込まれる。真っ白な壁に泥を投げつけ るみたいに、感情が音を立てて胸にぶつかる。いつだったっけなあ、あの頃買ってもらった、色の褪せた水色の腕時 計が今も、時を刻もうと静かにうごいている。あの頃と何一つ変わらない。同じ様に電子版が、テレビが、壁にかかっ た3本の針が、時を刻む。携帯の小さな画面上で次々と、当たり前のように数字が変わっていく。時は感情を持たない し、それを刻むものもまた、力がなくならない限り半永久的に動き続けるもの。止まらないそれら。気が付いたことが あるよ。それをみるわたしだけは、やっぱり感情をもっていたらしい。規則的に働き続けるそれらを見ていると、体の どっか、部品がもがれていきそうだよ。からっぽの頭に足に腕にこころ。はじめは真っ白なのに、つぎつぎと色が投げ 込まれる。真っ白な壁に泥を投げつけるみたいに、感情が音を立ててこころに、ぶつかった。時と一緒にこの体は確実 に老いていくのにね。置いていかれる焦りだけがこんなにも。置いていかれてしまう。置いていかれてしまう。置いて いかれてしまう。こんな、感情を持たないものたくさんと、一緒に生きている。それ、ときどき信じられないんですけ ど。よく今までくるわずに、生きてこられたなあ。こわいことが多い世界。大好きで大切な、この セカイ で。 2006/3/12 (Sun) 17:40:08 長い間、閉じっぱなしだった押入れを開けた。出てきたものはどれも、記憶が知っていた。引き出しの奥のほう、 一番下にあったプラスチックの箱。開けてみると懐かしいせっけんの匂いがした。いま、現在を生きているあたし、 このからだ、そのどこかにもちゃんと、記憶は横たわって、長い間ずっと寝ているみたいに。手にとってみると、 急にそれは起きて、形になっていく。さわってみると柔らかくて、なきたくなった。もうずっとずうっと前にもら った手紙は、幾つもの束になっていて、それをとめていた色の付いた輪ゴムは、外そうとすれば切れてしまった。 時間が確かに流れたこと。たった一枚のハガキを見たら、あの日の後悔の気持ちが甦った。そうだ、忘れちゃいけ なかった。時間は確かに流れたけれど、まだ自分の中で、上手く転がしきれて、ない、もの。せっけんの匂い、柔 らかい手ざわり。あいされていた記憶。形になってちゃんと残っている。結局、すてられないものばかりだった。 まだ、処理しきれない。残しておかなきゃ、と、記憶が言う。柔らかい匂い。犯人はハートの形をした手作りのせ っけんだった。手にとって、またひとつ、記憶が形になる。記憶が思い出が、すこしだけ揺れた気がした。

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