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ジョナサン・リッチマンインダビュー Part 3

2002年11月27日にメールで送られてきた『The Daily Cardinal 』(ウィスコンシン大学の新聞)の記事を訳しました。
ニュー・アルバム 『Her Mystery not of High Heels and Eye Shadow』 やツアーのこと、ジョナサンによるメッセージも語られてます。


The Daily Cardinal(以下DC):始めに、新しいアルバム『ハー・ミステリー...』について話しましょう。

Jonathan Richman (以下JR):そうだね。 僕がプロデュースを半分担当したんだよ。

DC:今まで他にレコードのプロデュースをした事はありますか?

JR:これと言ってない。
このアルバムが一番自分の好きなようにやれた。一番、自分の思ったとおりの音や雰囲気が出せたんだ。

DC: アルバムタイトルと同名の曲は何について歌っているのですか?

JR: そうだね、たとえば誰かを見て、その人の謎の部分がメイクだったする。
この曲は飾りのない人の歌だ。 率直な人の歌だよ。

DC: あなたは常にツアーに出てますね。曲をアルバムにする前にステージの上で完成させることってありますか?

JR: そういう事はない。 大体、今まで曲を完成させようなんて思ったことはないから。実際、どうやって曲を完成させるかすら知らない。
でもステージの上で曲を作ったりするのは好きだ。 だって、自分が感じているものや伝えようとしてるものを、観客も同じように感じているかどうかわかるからね。
レコーディングの際に、だいたいバックに二人ぐらいいるんだけど、彼らに、『このコードを弾いてくれ』って言って、どんな感じに聞こえるかみてみる。
事前にバンドにどんな風にしたいかは言わないんだ。 ビックリさせたいんだよ。
彼らは、『どうやればいいんだ?』って聞くけど、僕は 『まぁ、いいからやってみて』って言う。だって、自然発生的にやってもらいたいからね。

DC: それはかなりユニークなレコーディングの仕方ですね。
何処からそういうアイディアを得たのですか? 誰か他にそうしてる人を見ましたか?


JR: ジャズ奏者! 僕の知る限りではね。 ジャズはその方法以外ではレコーディング出来ないんだ。
ブルースの連中もそうだね。 初期のロックンローラーもそうだった。

DC: あなたは多くの著名なプロデューサーと仕事をしてきましたが、まだ他に、プロデューサーやミュージシャンの中で一緒に仕事をしてみたい人がいますか?

JR: そうだね、僕の尊敬する Dave Freidmann だな。 彼はフレイミング・リップスで素晴らしい仕事をしたよね。
一緒に仕事が出来るか判らないけど、彼はとにかく良い。 他に挙げると、ベル・アンド・セバスチャンかな。 彼らも素晴らしい。

DC:もし変な質問だったらすみませんが、あなたは永年に渡って、いろんなアーチストに多大な影響を与えてきましたよね。
でも、実際他の人の音を聴いてみて、『なんだい、これは僕の昔の曲とそっくりじゃないか。』 なんて思ったことはありませんか?


JR: 実際、何度かある。でも、それが何だったかよく思い出せないな...。
ちょっと待って、僕が『アフェクション』という曲を作った数年後に、ロッド・スチュアートが『パッション』っていう曲を出したんだけど、そのコード進行が同じなんだ。
それを聴いた時、思わず口に出したよ。『ヘィ、ロッド、そのアイディアは何処からもらったんだい?』ってね。

DC: あなたはもう長い事活動してますが、観客に変化はありますか?

JR: 今が一番、ライブをやってて楽しい。 80年代の頃よりも好きだ。
70年代からずっとやってきて、今がいちばん好きだ。 どうしてかわからないけど、ライブをするのにいい時代なんだと思う。

DC: ドラマーのトミー・ラーキンとはかなり長い事一緒にやってますよね...。

JR: そうだね、もう1000回ぐらい一緒にライブをやっているかもね。
僕がギターひとつでソロのライブをやっているころ、ドラマーが欲しいって思った。それでアリゾナのトゥーソンから彼に電話をしたら、奥さんが出た。
僕は彼女に、『誰かいいドラマーを知らないか?』って聞いたら、『そうねぇ、2人知っている。 ひとりはフィーリングがあって、もうひとりはテクニックがあるわ。』って言うから、僕は『フィーリングの方を教えて。』って言った。

DC: あなたはセットリスト無しでライブをしますね。 トミーはどうついていくのですか?

JR: 曲はみんな四拍子だし、それにもう9年も一緒にやってるから、だいたいわかるみたいだ。
でも、どんな曲にしても、問題無いよ。ほとんど即興で合わせてる。

DC: それで上手くいくのですから、彼とは本とにウマが合うのですね。

JR: 本当にその通り。 ぼくらはいい仲間だ。
一ヶ月も続くツアーで毎日24時間一緒にいるのに、ツアーが終って六日ぐらい経つともうすでに彼と会いたくなってくる。
僕らはツアーに出るのが大好きなんだ。 時には信じられないぐらいステージで楽しんでしまうし最高だよ。

DC: それはいいことですね。 そろそろ時間ですね、他に何かおっしゃりたいことはありませんか?

JR: ひとつある。 僕もドライブするしドライブは好きなんだけど、それはどうしてもしなくちゃいけない事ではない。
僕らアメリカ人は運転のし過ぎだと思う。 何か他の手段を見つけないといけないよ。
電車とか、何か他の方法を使わなくちゃね。 ドライブや、その他ガソリンを使うものは全て止めなくちゃいけないと思う。

DC: あなたはバスや電車を使っていましたか?

JR: 使ってたけど、でもこの国は電車のシステムが普及してない。

DC: そうですね。 グレイ・ハウンドのバスにしたって、実際何処にも行けませんしね。

JR: そうだよね。 僕らも前にツアーをまわるのに利用したんだけど、デュオにとってはとっても不便だった。

DC: それでは、あらためて、新しいアルバムの発売、おめでとうございます。
貴重な時間を割いて頂いてありがとうございます。


JR: ところで、マイケル・ムーアの新しい映画を見たかい?

DC: いいえ、まだ見てませんけど。

JR: 見逃さない方がいいよ。 期待以上のモノだから。

DC: 是非見ます。



注: ジョナサンの薦めるマイケル・ムーアの映画は 今アメリカで上映中の『Bowling for Columbine 』だと思います。
これはアメリカの銃の保持権を守る法律を批判するドキュメンタリー映画。
ムーアはミシガン出身のリベラルなドキュメンタリー映画監督で、 89年の 『Roger & Me 』(日本未公開)は、自動車産業の大手GMを痛烈におちょくり、同時に、解雇された労働者の悲惨さを描き、素晴らしい映画でした。
彼の映画はシビアで且つ、非常に笑えるのが特徴。日本でも観れるのを祈ってます。

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