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Obsession and Obscure

JONATHAN RICHMAN AT MAGIC BAG THEATER ON FEBRUARY  22TH 2002

先回のコンサートからたったの4ヶ月でミシガンに戻ってきてくれたジョナサン。
今回はデトロイトと郊外のちょうど境目にある、ファンデールという街のマジックバッグ・シアター。ファンデールは、言わずと知れたゲイやレズビアンが多く住んでいる街。 そのせいか、けっこうおしゃれな造りの劇場だ。
うちから車で15分というのも嬉しい。

始めは『エジプシャン・レゲエ』で始まり、『ギブ・パリス・ワン・モア・チャンス』に入るところは先回と同じ。(赤いコットンシャツも先回と同じ、しかし今回はすそをズボンに入れてない。)
ジョナサンの表情は硬い(というか、いつもの八の字眉で、困惑したような顔。)
『スプリングタイム・ニューヨーク』で調子を出し始める。 歌詞をかなり即興で歌う。 これは、ジョナサンがノり始めている証拠だ。
『ミー・アンド・ハー・ガット・ア・グッド・シング・ゴーイング』
『カップル・マスト・ファイト』と、新しいCDからの曲が続く。
お馴染の『フェンダーストラト・キャスター。』 これは凄かった。 かなりの即興の詞で、このへんからのりまくってきたジョナサン。
ジョナサン踊りも長かった。膝は叩くは、腰はくねねらせるは、足を交差させてクルっと一回転するは、フリはフォートップスかマイケルジャクソン、踊りの出来は、ピーウィー・ハーマンか『髪結いの亭主 』(この例で解るかな?)というとってもナイスなダンス。観客は大喜び。
『ザ・ロンリー・リトル・シフト・ストア』これはかなりエモーショナルな曲なんですね。生で聴くと胸に響く。
私の大好きな太古の曲も連発してくれる。
『マーシャン・マーシャン』
『イッツ・ユー』
『ビンセント・ヴァン・ゴッホ』 
懐かしすぎて、涙が出そうだった。 
その他、バルセロナを歌った唄とか、両親の事を歌った唄とか知らない曲も数曲歌う。
そして、いつも歌う『パブロ・ピカソ』や 『レズビアンバー』。(これは会場が一番のった、ヤッパリ、地元だからかなぁ...。)
インストでは、『チャイニーズフォークソング』、『メイビー・ア・ウォーク・フロム・ナトリック・ハイスクール』
(枯葉が落ちる中を歩いたと説明したのでこれはきっと秋の曲。)
コンサートも終盤に近づく。いったんステージを終えて引っ込むという形を取らず、曲が終るごとに、ジョナサンは『もう一曲聴きたい? 』と観客に聞いて、アンコールを続ける。
紙袋にティーシャツを入れて、ギターひとつでベニスビーチに移り住んだとか、ドルがポケットから落ちて、イタリア人にたかられたとか、いろんな過去のエピソードを交えながら、『ベニス・ビーチ』と『19 イン・ネープル』を歌う。
『ユー・キャント・トーク・トゥー・ザ・ドゥード』(自分でも大好きな曲だという。細かいしゃべりも、曲の合間に入れる。かなりおかしい。)この『デュード』は40歳のミュージシャンらしい。
再び新しいCDから『ハー・ミステリー・ノット・オブ・ハイヒール・アンド・アイシャドー』、『
Con El Morengue』、これを歌ってる途中アレッっと思ったら、ジョナサンの眼に涙が溜まってる。コンタクトレンズが痛くなったのかな、って思ったけど、そうじゃなさそう。 もうウルウルの赤い目をして歌ってる。
そしてデトロイトについて語る。
デトロイトは哀しみがある。 傷ついている。 いろんな所に行ったけど、荒廃していても、麻痺してるみたいで何も感じてない都市もたくさんあるけど、デトロイトは感情がある。悲しんでる。 それはとてもいい事だと思う。
そう、これこそ私が感じてる哀愁のデトロイト。 ジョナサンもちゃんと解ってる。 しかし皮肉な事に、私も含め観客はおそらく皆郊外から来ている人たちだと思う。デトロイトは厄介なお荷物としか考えていない人がほとんどだろう。 このジョナサンの言葉が、皆の胸に響いてくれる事を願う。
そして最後は『ユー・マスト・アスク・ユア・ハート』。 ほんとにこれが最終的なジョナサンのメッセージだと思う。自分がどう感じてるのかを知ることが一番大切。 
先回とは比べ物にならないぐらい感情のこもった90分のコンサートだった。 ジョナサンは今回なんでそんなに感傷的になったのか、または先回なんであんなにつれない態度を取ったのか、さっぱり判らない。
またもや私に不思議な感情を残して去っていくジョナサンでした。


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