二月の寒い寒い日。

すっかり癒えた純白の翼を広げた、籠の中の鳥。






数週間前、夏摘ちゃんが泣きながら電話してきた頃が懐かしい位だ。

長い間傍についていた。


辺りはバレンタイン一色。




「せんせーもう飛べるだろうって!!」


鳥さんよかったねーと楽しげに笑っている夏摘ちゃんだが昨日の夜は少し淋しそうにしていたのを知っている。


「この辺りだよ、夏摘ちゃん」




家の近所にある比較的広い公園である。



「じゃあね、鳥さん。もう怪我しちゃ駄目だよ?」


カタンと音をたてて、小さな入り口を開けた。





しかし籠から出ようとしない。夏摘ちゃんは地面に置くと両手でそっと鳥を出し、手を開くがじっとしたままだ。





「……もうお行き」




手にとまらせてやれば、暫く大人しくしていたがぐっと翼に力が入ったのが分かった。


その力強い様子を見て、もう大丈夫なんだと分かった。

30『…飛べ!!!』
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